部門紹介
形成外科とは主として体の表面の形の異常や色の異常を治療する科です。
具体的には唇裂・口蓋裂、耳介奇形、眼瞼下垂、手足の奇形といった先天性の形の異常や、ケガ・やけど・手術などによって生じた形の異常を、形だけでなく、機能的にも正常に戻すことを目的としています。
また、腫瘍切除後や外傷による組織欠損の修復・再建も重要な治療分野の一つです。
色の異常としては生まれつきのアザ(赤アザ、青アザ、黒アザ、茶アザなど)やシミ、刺青などがありますが、形成外科では外科的治療や各種のレーザーを用いた治療を行っております。
広島市民病院に形成外科が開設されて40年になります。
平成27年は新患総数1454名、入院患者総数640名、手術件数は全身麻酔手術471件、局所麻酔手術698件で合計1169件。その他レーザー治療などが358件にのぼり、全身麻酔レーザーも33件施行しました。(表1参照)
当科の特徴として、唇顎口蓋裂をはじめとする小児先天性疾患、乳房再建、眼の形成外科に力を入れており、いずれにおいても中四国ではもちろんのこと全国でもトップクラスの手術件数をこなしております。
また、当院は新生児科、NICUや小児科が充実しており、また心臓血管外科や小児外科も有るため病院全体での小児手術件数が非常に多く、安心して小児の手術を受けていただける環境が整っていると思います。
当形成外科においても、小児手術には非常に力を入れており、6才未満の幼小児の全麻手術件数が年間147件に及びます。
また多くの耳介変形は早期に矯正治療を開始することで手術不要になりますし、乳児血管腫・いちご状血管腫も早期治療をすることで痕跡を残さず治せます。近隣の小児科・産婦人科との連携を密にすることでこれらを可能にしています。