部門紹介
当科は産婦人科専攻医指導施設、総合周産期母子医療センター、婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設、産婦人科内視鏡学会認定研修施設、日本女性医学学会認定施設に認定されており、産婦人科としてのベッド数75床です。年間分娩数は約1000件、手術件数は約1500件であり、救急車により母体搬送薬100件、卵巣嚢腫の茎念転、子宮外妊娠など緊急手術が必要な症例も24時間体制で受け入れています。
産婦人科医15名(男性7名、女性8名)で周産期医療、婦人科腫瘍、女性医学、内視鏡下手術など、いずれの分野もそれぞれの専門性を持って、高いレベルの、バランスのとれた診療を行っています。
当科で分娩する妊婦さんの多くは、何らかのリスクを有しているいわゆるハイリスク妊婦さんです。代表的には胎児心疾患、胎児中枢神経疾患等の胎児疾患や、切迫早産、多胎妊娠、胎児発育不全、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、癒着胎盤、瘢痕部妊娠、高齢妊娠、内科疾患合併妊娠などの異常妊娠、偶発合併症妊娠などが挙げられます。また、産科危機的出血に代表される分娩時・産褥救急も対応しています。ハイリスクの分娩が多いため、緊急帝王切開術、吸引分娩等の異常分娩が半数以上を占めていますが、医師間、助産師、コメディカルとの密な連携の上、慎重に診断、治療ならびに管理を行うよう努めています。また、当科では一般の分娩希望の方、里帰り分娩希望の方も受け入れております。
昨今、胎児心疾患等、出生直後より治療介入を要する疾患の胎内診断の重要性が増しています。当科では全国に先駆けて、平成19年より全妊婦を対象とした胎児スクリーニング外来を開設しています。これにより当科の胎内診断率は向上しており、出生前から新生児科や循環器小児科等の各専門科と連携することにより、母児の予後改善に寄与することが出来ています。
また、すべての妊婦さんに対して、妊娠の早い時期から病棟助産師と密に関われるような体制をとっており、安心して妊娠生活、分娩、産後を迎えれるようアドバイスを行っております。早産が見込まれる妊婦さんや胎児疾患が胎内診断された妊婦さんに関しては、新生児科医、循環器小児科医等各専門医の診察やプレネイタルビジットを受けていただいております。
当科では以前より、低侵襲手術である腹腔鏡下手術を積極的に取り入れてきました。良性腫瘍である卵巣嚢腫、子宮筋腫などの大部分は、腹腔鏡下手術で対応しています。また、患者さんの希望に応じて可能な限りっ機能を温存した治療を行うように心がけています。また、平成24年4月より過多月経に対してお腹を切らない治療「マイクロ波子宮内膜アブレーション」が保険適応となりました。薬物療法で効果がない場合には、以前は手術療法が選択されていました。子宮腔内に専用アプリケーターを挿入し、マイクロ波で加熱し子宮内膜を壊死させることにより出血量を減少させる治療で、経腟的に短時間での治療が可能となりました。
婦人科悪性腫瘍の症例数は全国的にも有数で、治療前にはスタッフ全員によるカンファレンスで十分な検討を加え、最善の治療法を決定しています。子宮頸癌術後の排尿障害軽減のための神経温存術式や、術後下肢リンパ浮腫の発症を少しでも少なくする術式など、機能温存手術を心がけています。一方で進行癌の患者さんに対しては、QOLに配慮したうえで集学的治療を行っています。
当科ではいち早く平成25年の6月より、初期子宮体癌に対する腹腔鏡下子宮体癌手術を、平成31年4月よりはロボット支援下子宮体癌手術を行っています。また、初期子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術も行っています。
年間の手術数
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約1,500件
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年間の分娩数
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約1,000件
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母体搬送例数
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約100件
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