専門研修プログラムについて
1.基幹施設は総合病院精神科
広島市民病院精神科は、神経科・精神科として昭和41年3月に開設され、精神疾患のみでなく神経疾患にも対応してきた。時代の趨勢もあって徐々に専門分化し、精神科・神経内科としてひとつの病棟を共用していたが、病院の改築などにも伴い、2007年2月より精神科病棟28床が独立した。現在も脳神経内科とは隣り合わせで外来診療を行い、カンファレンスなども行って緊密に連携している。これまでも人事的には岡山大学、広島大学と交流があり、双方の治療文化を経験することが可能である。
総合病院精神科として28床の開放病棟を持ち、隔離も可能な観察室を有しており、難治例、身体合併症例などにも対応し、精神症状の診断と治療における基本の習得に適している。特に、器質性・症状性精神障害、コンサルテーション・リエゾン精神医療、重症気分障害などが数多く経験できる。専攻医は入院患者の主治医となり、指導医の指導を受けながら、看護スタッフ、心理職、リハビリテーションなどの多職種と協働し、各種精神疾患に対して生物学的検査・心理検査を行い、薬物療法、精神療法、修正型電気けいれん療法などの治療を柔軟に組み合わせて最善の治療を行っていく。外来患者も幅広い精神疾患患者が受診しており、外来研修の過程で多様な精神疾患の初期診断及び治療についての基礎的な知識を身につけることが可能である。
2.広島精神医療ネットワークを核とした連携施設
広島大学病院を核として県内の総合病院精神科、精神科専門病院などの医療機関のみならず、精神保健福祉センター、こども家庭センターなどの行政機関までも有機的につながるネットワーク(広島精神医療ネットワーク)を構築しており、臨床面、教育面、研究面において強い互恵関係にある。そのため、このネットワークを活用することにより、3年間の専門研修においては効率的に幅広い臨床経験を積むことができ、さらに6年目以降の研修においてもさまざまな選択肢を提供することが可能である。
3.専攻医ごとの関心領域を考慮した研修プログラム
3年目上半期には、精神科専門病院において、精神科救急を中心に地域精神医療、依存症も含めた幅広い診療を経験する。研修施設である瀬野川病院、三原病院、草津病院の各病院は全て精神科救急システムに参画しており、統合失調症を中心に精神科救急症例も豊富である。3年目下半期には、各専攻医の関心と病院の特徴が合致する研修を選択できる。研修施設はそれぞれ、地域精神医療、社会復帰支援、老年期精神医療、児童・思春期精神医療、司法精神医療、薬物依存・アルコール症医療、気分障害リワークなどの専門性を有している。専攻医は、基本的な精神科の診療技術を体系的に習得できるのみならず、関心の高い専門領域での研修を選択可能である。
これらの経験を通じて、まずは精神科ジェネラリストとしての臨床力を向上させることにより確実に専門医取得を可能とするばかりでなく、更に高度な専門性の獲得、サブスペシャリティーに繋がる研修となる。
詳細は、専門研修プログラムをご覧下さい。
なお、当該専門研修プログラムは、日本専門医機構及び学会での審査結果等により修正・変更がありうることをご承知おきください。
(参考)広島市立広島市民病院精神科は、下記の3つの精神科専攻医研修プログラムの連携施設ともなっています。
募集スケジュール
※ 「募集要項」の「提出期限」「選考の日時」をご覧ください。⇒ こちらへ
精神科領域(精神科)領域の紹介
精神科
主任部長 | 和田 健 (わだ けん) |
---|---|
医師数 | 常勤 4名 非常勤 1名 |
病床数 | 28床 開放病棟 |
初診患者数 | 731名/年 |
入院患者数 |
301名/年
平均在院日数(精神科病棟) 32.3日 |
診療科ホームページ | 精神科ホームページ |
習得できる専門医資格
日本精神神経学会、日本総合病院精神医学会、日本臨床精神神経薬理学会の研修施設に認定されている。
当院の入院病床は開放病床のみであり、閉鎖処遇を要する患者の入院治療は基本的にできないため、当科の研修のみでは精神保健指定医や日本精神神経学会の専門医を取得することができない。
従って当科で研修した後には、責任を持って必要な症例が経験できる単科精神病院を紹介する。
慈圭病院(岡山県岡山市)
三原病院(広島県三原市)
希望ヶ丘ホスピタル(岡山県津山市)
など