脳神経外科・脳血管内治療科 (のうしんけいげか・のうけっかんないちりょうか)
対象医療と治療方法
<対象について>
広島市民病院脳神経外科・脳血管内治療科には毎年約1000例の患者さんが入院します。外科手術は年間約350-400件、血管内手術は年間100-200例を行っています。
開頭手術においては蛍光診断(脳血流評価のできるICG、脳腫瘍診断のできる5-ALAなど)の可能な手術顕微鏡、術中ナビゲーションシステム、脳機能モニタリング、ハイブリッド手術室(血管撮影装置を併設した手術室)を駆使した安全で確実な手術を行なっており、脳動脈瘤クリッピング術、頸動脈内膜剥離術、脳血管吻合術、脳腫瘍摘出術、三叉神経痛・顔面けいれんに対する微小血管減圧術など幅広い手術を行っております。カテーテルによる脳血管内手術は4名の専門医を中心に、最新の血管撮影装置および治療デバイスを用いて治療に取り組んでいます。未破裂脳動脈瘤やシャント疾患に関しては脳ドック学会のガイドラインに従って治療適応によって検討し、安全に配慮した塞栓術を行っております。頸部頸動脈狭窄症に対しては、頸動脈に存在するプラークの性状を十分に評価した上で頸動脈ステント留置術を安全に行っています。脳梗塞の超急性期に一刻も早く血流を再開させるカテーテルによる血栓回収術も神経内科と共同で積極的に取り組んでいます。
<脳腫瘍の治療>
髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、悪性神経膠腫(グリオーマ)、脳原発悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍をはじめとして幅広い疾患に対応しております。 良性腫瘍においては原則として全摘出を目標とした開頭術もしくは神経内視鏡手術を行っております。悪性腫瘍に関しては安全に配慮した最大限の摘出を行い、その病理学的診断に応じて、放射線科および血液内科と協力して放射線・化学療法を行っております。悪性腫瘍の中で遺伝子診断が治療のために必要な場合や臨床試験などが適用される場合については大学病院と連携して治療を進めていきます。
<機能的定位脳手術について>
2026年7月からパーキンソン病や本態性振戦に対する定位脳手術を行うことができるようになりました。運動障害が著明で、一日の中で症状の変動の激しい重症のパーキンソン病患者さんには脳深部刺激療法(DBS)を行っています。また、「ふるえ」のために書字等が難しい本態性振戦の患者さんに対しては、薬で良くならない場合に視床と呼ばれる部位の一部を熱凝固する治療を行っています。
<水頭症治療について>
水頭症とは歩行障害、認知機能低下、尿失禁を来す病気です。身体所見や画像検査を十分に検討し、必要に応じて短期入院の上でタップテスト(髄液排出試験)を行うことで診断しています。水頭症と診断した場合には、シャント手術と呼ばれる手術を行います。当院においては脳室と呼ばれる部位を穿刺する脳室腹腔短絡術、腰部を穿刺する腰椎くも膜下腔腹腔短絡術が施行可能であり、患者さんの背景疾患等を考慮して選択しています。