部門紹介
当院外科から乳腺・内分泌外科疾患のみを対象とするために平成17年4月に分離・独立し、さらに平成21年4月から乳腺疾患のみを対象とするために乳腺外科と標榜名が変わりました。その目的は、より専門性を高め質の高い医療を提供するためです。また平成30年4月からはブレストケアセンターも立ち上がりました。
専門性を高め乳腺外科医師が乳腺疾患のみを対象として診療にあたります。対象は乳腺の精密検査、治療であり、乳癌の手術だけでなく、乳癌術後補助療法・再発乳癌の治療、乳癌術後フォローとしており、セカンド・オピニオンも扱います。
乳腺外科の理念は、以下の3つの柱からなります。
(1) 病院連携を促進します
病診連携を推進する立場から、当科でしかできない診療を優先し、それ以外は可能な限りかかりつけの医師に紹介させていただいております。そのため、乳癌検診は原則として検診施設にお願いしています。もちろん、乳癌検診で再検査の指示があったかたは、その限りではありませんが、その際も検診を受けた施設から病診連携を通して予約を取っていただいております。
(2) チーム医療のなかで標準治療を行います
治療には乳腺外科だけでなく、外科、放射線科、放射線治療部、腫瘍内科、病理、形成外科、脳神経外科、産婦人科、看護師、薬剤師、緩和ケアチーム等と連携を密にしてあたります。また、術前・術後カンファレンスは一般の外科スタッフとともに行っており、独断的な偏った治療にならないように注意しています。このように、チーム医療のなかで標準治療を行っています。この実績が認められて平成30年4月よりブレストケアセンターも立ち上がりました。さらにチーム医療を推進し、さらに患者さんの笑顔をいただけるようにチーム一丸で頑張って参ります。
(3) 根治性、機能性、整容性のバランスの取れた手術を提供します
ただ癌を治せばよかった時代から、患者さんの多様化したニーズに合わせた治療を提供することが必要な時代になりました。私どもは大きな三本柱、すなわち根治性の確保(癌を治すこと)、機能性の保持(腕の腫れなどの術後の障害を減らすこと)、整容性の向上(きれいな乳房を残すこと)といったそれぞれが相反するものを可能な限り均衡のとれた形で患者さんに提供できるような手術を心がけています(図1)。
広島県保健医療計画における「広島乳がん医療ネットワーク」が目指す医療提供体制のなかでは、当科は検診以外の、精密診断、総合診断・専門治療、術後治療・経過観察の領域を担当しています。
詳細は広島県のHP(広島県のホームページ→健康・福祉→医療→がん対策→広島県のがん情報サポートサイト「広島がんネット」を参照してください。
臨床試験・臨床治験への積極的参加
東京では治療できても広島では治療できないような状況があってはならないとわれわれは考えおり、臨床試験・臨床治験に積極的に参加しています。そのため、まだ日本で保険収載されていない薬剤を臨床治験として使用できる場合もあり、特に治療法の限られてきた再発転移性乳癌患者さんには朗報です。Global な治験(世界同時で行っている臨床治験)も多数行っております。担当医までご相談ください。
当科の強み
当科の強みは「和」と考えています。スタッフ一丸となり「一人の患者さんとご家族の満足」を目標としてチーム医療を頑張っています。至らない点もあるかと思いますが皆、全力で頑張りますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。至らない点はどうか今後のためにもご指導いただければ幸甚です。