新生児の外科的疾患
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鎖肛、先天性食道閉鎖症、消化管閉鎖、壊死性腸炎、臍帯異常、横隔膜異常など
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小児腹部疾患
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急性虫垂炎、急性腹症、鼡径ヘルニア、肥厚性幽門狭窄症、胃食道逆流、便秘、ヒルシュスプルング病、胆道閉鎖症、胆道拡張症、肝腫瘍、副腎神経芽腫、奇形腫など肝胆膵、消化器疾患全般)
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小児泌尿器疾患
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膀胱尿管逆流症、水腎症、腎腫瘍、停留精巣、尿道下裂包茎、陰嚢水腫、神経因性膀胱など)
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小児胸部疾患
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肺腫瘍、嚢腫、横隔膜疾患、漏斗胸、縦隔腫瘍など
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小児腹腔鏡下手術
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腹腔内精巣、胃食道逆流症、遺伝性球状赤血球症、特発性血小板減少性紫斑病など
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その他
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正中頚嚢腫、側頸嚢腫、リンパ管腫など外表異常
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当科紹介
当科は、常勤医2名・後期研修医1名が在籍し、日本外科学会指導医2名、日本小児外科学会指導医1名、日本小児外科学会専門医2名、日本小児泌尿器科学会認定医2名、医学博士1名を有しています。診療圏は広島市という枠を越えて、山口県東部(岩国市、大竹市)、広島県東部(東広島市、尾道市、福山市)、県北部(三次市、庄原市)、島根県(邑智郡、浜田市)からも患者様を御紹介していただいております。
(1)新生児外科症例は約20-30例を占めますが、低出生体重児や先天性心疾患などの合併疾患の多いこの分野では、産科、新生児科、循環器小児科との緊密な連携のもとに診療を行っています。近年は超音波検査による胎児診断例も増加し、母胎搬送にて産科に入院していただき、生まれる前からの万全の管理で最善の治療を行うようにしています。
(2)小児外科の中心はやはり腹部消化器系の疾患で、急性腹症や嘔吐を来す疾患、腹満便秘を来す疾患、腹部腫瘍、肝胆疾患など多彩にわたっています。治療成績も非常によくなっており、現在ではいかに患者さんのQuality of Lifeや病院でのアメニティーの改善に焦点が向けられています。私たちは入院期間の短縮、手術創をきれいにする、術後の痛みを取るなどに工夫を凝らしています。
(3)こども病院がない中国地方では、小児泌尿器疾患(腎臓、膀胱、尿管、精巣、陰部等)については、小児科、産婦人科、泌尿器科の先生方から小児外科に御紹介いただいています。当科主任部長今治は、広島市内では唯一、日本小児泌尿器科学会認定医資格を有しており、手術が必要な腎臓、膀胱、尿管、外性器等の疾患に対してガイドラインに沿った安全な診療を心掛けています。
(4)小児にときにみられる漏斗胸に対しては、①バキュームベルによる保存的治療、②金属製のバーを留置するNussによる胸骨拳上術、③前胸部に創が残りますが、金属を留置せず手術が1回のみの胸肋拳上術を病態や患児の状況に応じて行っています。
(5)腹腔鏡下手術など:胃食道逆流症、特発性血小板減少症、遺伝性球状赤血球症、腹腔内精巣、女児鼡径ヘルニアなど、適応に応じて腹腔鏡下手術を行っております。通常の開腹術に比較し創も小さく患児に侵襲の小さい手術を心がけています。また臍を利用した手術創で手術し、将来的な生活の質に考慮して開腹手術でも手術創が目立たない工夫をしています。胸部疾患や食道閉鎖症では腋下皺切開により、手術創が将来的に目立たず体育やプール授業にも影響しない手術を心掛けています。
小児外科医一人あたりの手術数ー他院との比較
施設認定
日本小児外科学会認定施設