年間の手術数
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約1,500件
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年間の分娩数
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約900件
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母体搬送例数
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約80-100件
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部門紹介
当科は産婦人科医専攻医指導施設、総合周産期母子医療センター、婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設、産婦人科内視鏡学会認定研修施設、日本女性医学学会認定施設に認定されており、産婦人科としてのベッド数75床です。年間分娩数は約900件、手術件数は約1500件であり、救急車による母体搬送約80-100件、卵巣嚢腫の茎捻転、異所性妊娠(子宮外妊娠)などの緊急手術が必要な症例も24時間体制で受け入れています。
産婦人科医16名(男性7名、女性9名)で周産期医療、婦人科腫瘍、内視鏡下手術、女性医学など、いずれの分野もそれぞれの専門性を持って、高いレベルの診療を行っています。当科には、日本産科婦人科学会専門医10名、日本産科婦人科学会指導医5名、周産期専門医(母体・胎児)5名、婦人科腫瘍専門医2名、産婦人科内視鏡技術認定医4名、女性医学学会専門医2名、超音波専門医2名、臨床遺伝専門医1名が在籍しています。
当科で分娩する妊婦さんの多くは、胎児疾患、多胎妊娠、切迫早産、妊娠高血圧症候群、合併症妊娠など何らかのリスクを有しているいわゆるハイリスク妊婦さんです。また、産科危機的出血に代表される分娩時・産後救急も対応しています。ハイリスク分娩が多いため、帝王切開分娩が約半数を占めていますが、医師、助産師、コメディカル、各科・各部署と密に連携をとり、慎重に診断、治療、管理を行うように努めています。2019年から、産科病棟内に、超緊急帝王切開専用の手術室を設置し、より迅速に帝王切開が行えるようになっています。また、当科では一般の分娩希望の方、里帰り分娩希望の方も受け入れており、2022年より、麻酔科と共同管理で無痛分娩を開始しております。
昨今、胎児心疾患等、出生直後より治療介入を要する疾患の胎内診断の重要性が増しています。当科では全国に先駆けて、2007年より全妊婦を対象とした胎児スクリーニング外来を開設しています。これにより当科の胎内診断率は向上しており、母児の予後改善につるなげることができています。
また、すべての妊婦さんに対して、妊娠の早い時期から病棟助産師と密に関われる体制をとっており、安心して妊娠生活、分娩、産後を迎えられるようアドバイスを行っております。早産が見込まれる妊婦さんや胎児疾患が胎内診断された妊婦さんに関しては、出生前に、新生児科医、循環器小児科医、小児外科医等の診察やプレネイタルビジット(出生前説明)を受けていただいております。
当科では、以前より低侵襲手術である腹腔鏡下手術を積極的に取り入れてきました。異所性妊娠や良性腫瘍である卵巣腫瘍、子宮筋腫などの大部分は、夜間休日も含めて腹腔鏡下手術で対応しています。
婦人科悪性腫瘍の症例数は全国的にも有数で、治療前にはスタッフ全員によるカンファレンスで十分な検討を加え、エビデンスに基づいた最善の治療法を決定しています。子宮頸癌術後の排尿障害軽減のための神経温存術式や、術後下肢リンパ浮腫の発症を少しでも少なくする術式など、機能温存手術を心がけています。一方で進行癌の患者さんに対しては、QOLに配慮した集学的治療を行っています。
当科ではいち早く2014年6月より、初期子宮体癌に対する腹腔鏡下子宮体癌手術を、2021年4月よりロボット支援下子宮体癌手術を行っています。また、強いご希望がある方には、初期子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術も行っています。