診療科のご案内

麻酔集中治療科医師の仕事の中心となるのは手術のための麻酔業務です。具体的には、痛み・意識をとることで「手術という最大のストレス」から患者様を守ります。そして手術の間、様々なモニターなどを使用し、患者様のそばで呼吸循環などの全身状態を維持し、安全を守るという非常に重要な役割を担っています。特に最近では様々な合併症を持った患者様も多く、個々の患者様の状態・疾患に応じた麻酔を、専門的な知識・技術を駆使して行っております。
当院の手術室は、2016年度よりハイブリッド手術室を含め4室増設され、現在17の手術室を有しております。年間手術件数も増加し、2017年度以降は10000件を超えております。麻酔集中治療科医師は、ここで行われる手術のうち全身麻酔、脊椎麻酔、硬膜外麻酔、神経ブロックを担当し、年間約8000件の麻酔を管理しております。手術症例は、心臓血管外科、消化器外科、呼吸器外科、整形外科、脳神経外科、産科婦人科、泌尿器科、小児外科、小児循環器科、形成外科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科口腔外科、皮膚科、消化器内科等、多岐にわたり、様々なニーズに対応した麻酔管理を行っております。
臨床研修医が麻酔を担当することがありますが、この場合は必ず麻酔指導医がペアとして担当していますのでご安心ください。

ICU・HCUは中央棟2階に位置し、ICU10床、HCU4床の計14床のベッドを有しています。ICUでは、一般病棟では管理できないほど重症の患者様が24時間体制で治療を受けており、血圧などの循環管理、人工呼吸管理、血液浄化療法、輸液管理、栄養管理など厳密な管理が必要となります。これらは、普段から麻酔集中治療科医師が手術麻酔で行っていることであり、最も得意とするところです。
当ICUでは心臓血管外科術後（先天性心疾患、成人開心術、大血管手術）、食道癌術後、院内発症の重症症例を中心に集中治療を行っています。24時間常に麻酔集中治療科医師が3名専従し、患者様の治療にあたっています。
また、他院からの重症患者（重症感染症・敗血症・多臓器不全・DIC・ARDS・重症急性膵炎など）受け入れにも積極的に対応し、地域医療に貢献しています。

現在、当院でも救急体制の重点強化に取り組んでおり、主に全身管理の必要な重症患者（小児心肺停止・熱中症・急性薬物中毒・電撃傷・外傷等）の救急隊からの直接搬入にも対応しています。救急処置の後、ICUにて引き続き集中治療体制に入っております。