対象疾患と治療方法
(1) 対象疾患
● 肺癌・呼吸器腫瘍性疾患
● 呼吸器感染症
● 慢性呼吸不全(急性増悪も含む)
● 急性呼吸不全
● 閉塞性換気障害(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患:COPD)
● アレルギー性肺疾患
● 間質性肺炎(特発性間質性肺炎、膠原病関連間質性肺炎、慢性過敏性肺炎、サルコイドーシスなど)
(2) 治療方法
肺癌などの呼吸器悪性腫瘍に対しては、毎週、腫瘍内科、呼吸器外科、放射線治療科と合同カンファレンスを行い、治療方針を決定しています。IIIAの一部、IIIB、IIIC、IV期の肺癌に対しては化学療法、放射線療法あるいは両者併用などを行い腫瘍縮小、生存期間延長、QOL改善を目標に加療を行います。また肺癌では、EGFR遺伝子変異、ALK遺伝子転座、PD-L1タンパクなどを含むバイオマーカー検査を行い、適応のある患者には分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を投与し加療を行っています。臨床試験や治験にも積極的に参加し、最先端の肺癌治療を提供すべく努力しています。慢性呼吸不全、急性呼吸不全に対しては非侵襲的人工呼吸療法(NIPPV)、侵襲的人工呼吸療法(IPPV)、nasal high flow systemなどを用いて効率的な呼吸療法を実施しています。間質性肺炎の診断、治療の関しては、気管支肺胞洗浄(BAL)、気管支肺生検(TBLB)、必要であれば外科的肺生検(VATS)、リウマチ・膠原病科との連携による正確な診断を心がけ、適応のある患者にはステロイドホルモン、免疫抑制薬、抗線維化薬を投与し加療を行います。