リウマチ・膠原病科 (りうまち・こうげんびょうか)
診療実績
1.初診について
リウマチ性疾患の診断・分類を正確に行い、最適な治療をスタートできるよう心がけております。初診時には時間をかけて問診・診察を行い、必要があれば血液・尿検査を行っております。
※地域医療の先生方からのご紹介、院内からのコンサルテーション、直接来院された患者さんの集計です。
2020年度の新患は315例でした。未診断例のうち診断がついた患者数を以下に示します。
関節疾患(総数:118例)
関節リウマチ 46例
関節痛(非関節炎) 26例
変形性関節症 8例
リウマチ性多発筋痛 7例
腱鞘炎 7例
脊椎関節炎 5例
CPPD 5例
乾癬性関節炎 4例
分類不能関節炎 4例
回帰性リウマチ 2例
成人スチル病 1例
痛風 1例
SAPHO 1例
ウイルス性 1例
膠原病(総数:29例)
強皮症 14例
SLE 5例
シェーグレン症候群 5例
抗リン脂質抗体症候群 3例
皮膚筋炎 1例
MCTD 1例
血管炎(総数:21例)
巨細胞性動脈炎 3例
顕微鏡的多発血管炎 3例
ベーチェット病 3例
PAN 3例
CPAN 3例
強膜炎 2例
EGPA 1例
高安大動脈炎 1例
LCV 1例
HCUV 1例
その他、レイノー現象8例、IgG4関連疾患3例、NEAE 3例、FMF 2例、NAION 2例、Sarcoidosis 2例、菊池病1例、リンパ腫1例など。
RA診断のための最初のステップは、関節炎の有無を判断することです。当科ではていねいに病歴聴取と診察を行うことによって慎重に判断しております。判断が難しい場合は画像検査や経過観察を考慮します。
いったん、関節炎と判断をすると、RA、膠原病、脊椎関節炎などの鑑別をはじめます。これらの診断はほとんどの場合、問診と診察、血液検査で十分です。急性関節炎の場合はパルボウイルスB19感染症などのウイルス性関節炎についても検査を追加します。痛風・偽痛風などの結晶誘発性関節炎を見逃さないため、できるだけ関節液検査を行うようにしております。
その他、原因不明の発熱、眼球・口腔内乾燥、レイノー現象についてよくご紹介いただいております。地域医療の先生方はもちろん、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科などのご専門医の先生方からのご相談についても対応させていただいております(ぶどう膜炎、中耳炎・副鼻腔炎、結節性紅斑など)。
2.再診について
当科では診断がついていない方、周術期や化学療法中の方などを優先して診療にあたっております。患者さんの病状に応じて、診療をお任せできる地域医療の先生方やリウマチ専門医をご紹介させていただいております。
再診患者数658例(RA 214例、SLE 73例、SSc31例、PMDM 23例、GCA23例、ANCA関連血管炎 23例、PsA 18例、EGPA 16例、IgG4RD 15例、MCTD 13例、高安大動脈炎 13例、ベーチェット病12例など)
3.入院診療について
重症度・緊急性の高い患者さんを優先させていただいております。落ち着き次第、リハビリテーションあるいは内科的な診療を引き継いでいただける病院・施設に転院をお願いすることがあります。
2020年度の入院患者37例の内訳は以下の通りでした。
SLE6例、GCA6例、MPA 5例、PAN 4例、GPA 3例、感染症3例、PMDM2例、強皮症2例、EGPA 1例、IgG4RD 1例、ベーチェット病1例、関節リウマチ1例、その他2例
※略
CPAN;皮膚型結節性多発動脈炎
EGPA;好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
GCA;巨細胞性動脈炎
GPA;多発血管炎性肉芽腫症
HCUV;低補体血症性蕁麻疹様血管炎
IgG4RD;IgG4関連疾患
LCV;白血球破砕性血管炎
MCTD 混合性結合組織病
PAN;結節性多発動脈炎
PMDM;多発性筋炎、皮膚筋炎
PsA;乾癬性関節炎
RA;関節リウマチ
SLE;全身性エリテマトーデス