新規導入機器 New
令和5年4月より、Azurion 7 B20/15という最新の血管造影装置を導入しております。この装置により高精細で高品質な画像を従来の装置と比較して約半分の被ばく線量で提供可能になりました。医師は臨床画像を58インチの高解像度大型モニターで確認できます。さらに、サブモニターを4つ配備して3D画像や過去画像、生体情報なども同時に確認しながら安全に高度な検査や治療をすることができます。
装置名:Azurion 7 B20/15(第4血管造影室)
一般撮影 Radiography
一般撮影は、通常「レントゲン」とも呼ばれている検査です。
胸部(肺や気管など)、腹部(ガスや結石など)、全身の骨や関節の状態(骨折など)を知るⅩ線写真撮影をはじめ、マンモグラフィ、骨塩定量測定など、Ⅹ線を使用するさまざまな検査を行っています。
Ⅹ線写真撮影 Radiography
Ⅹ線撮影をデジタル化するFPD装置を導入により、Ⅹ線照射量を抑えた撮影が可能となり(従来の約半分以下のⅩ線照射量)低線量・低被ばくを実現しています。また、画像に適正な処理を施しより診断しやすい画像を提供します。
GE Healthcare DXR656
胸部正面撮影
下肢正面撮影
BoneSuppression処理(胸部骨減弱処理)
カテ先・ガーゼ強調処理
腰椎正面撮影
全脊椎正面撮影
VIDEO VIDEO
マンモグラフィ Mammography
マンモグラフィとは乳房のⅩ線撮影のことです。当院ではすべて女性の認定技師が撮影しています。熟練した技術と高い専門的知識を持ち、幅広いニーズにお答えしながら、チーム医療の一員として担当させてもらっています。また、当院はマンモグラフィ検診認定施設であり、被曝線量をおさえ、緻密に管理された中での安心安全な検査を心がけています。
乳房撮影画像(内外斜位)
骨塩定量測定 Bone mineral density measurement
骨塩定量測定検査とは、骨に含まれるカルシウムなどのミネラル成分の量を測定する検査です。骨粗しょう症や代謝性骨疾患の診断に利用されます。骨成分を数値化することで減少を早期に発見し、治療や予防に役立てています。当院では2012年3月に骨密度測定装置を更新し、高画質・高精度の測定が可能となり、検査時間も3分程度と短時間に撮影ができます。
GE Healthcare PRODIGY
X-TV検査 photofluoroscopic examination
当院のTV装置はフラットパネル(FPD)システムを採用した3台が導入されています。これらはデジタルX線システムにより、低線量で高精細画像(ZOOM機能使用)撮影を行っており、小さな病変を映し出すことが可能な装置です。特に被ばくが心配な幼児・小児などの検査に有用です。
従来型のX線透視撮影装置と大視野FPDを搭載し、機能的にも優れたCアームにより多方向からの観察を可能にし、さまざまな検査要求に対応しています。
キヤノンメディカルシステムズ社製DREX-ZX80
キヤノンメディカルシステムズ社製DREX-UI80
日立メディコ社製VersiFlexVIST
Versi Flex VISTA
Ultimax
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
アイソトープ検査(核医学検査) Radio Isotope inspection
アイソトープ検査とは放射性医薬品の特徴を生かし、臓器の位置や形状・大きさはもちろんのこと、機能的な異常も検出でき、脳・心臓・その他の臓器・悪性腫瘍等の診断に欠かせない検査となっています。
当院では使用する装置の精度管理を定期的に行うとともに、体内に投与される放射性医薬品が適正であるよう十分な安全管理を行っています。
当院で行っている放射性医薬品を使用する主な検査としては、脳SPECT・心筋SPECT・全身骨シンチ・乳房センチネルリンパシンチ・肺血流シンチ・肝臓アシアロシンチ・腎臓シンチ・腎臓レノグラムシンチなどがあります。その他にも多種多様な検査を行い、依頼科からの診断ニーズに対応しています。また、ラジウムを使用した治療も行っています。
当院ガンマカメラが2021年12月よりSIEMENS社製のSymbia Evo Excelに新しくなりました。もう1台は2018年より、SIEMENS社製のSymbio Intevo6という最新のSPECT/CT装置を導入しております。この装置は、ガンマカメラとCT装置が一体となった装置で核医学の機能・代謝画像とCTの解剖学的位置・携帯情報画像を重ね合わせる(Fusion)ことで同時に観察でき、核医学検査のみではわかりにくい詳細な位置情報を把握することができます。また、体の深部から放出される放射線は、体の外の検出器に届くまで臓器で吸収され、体の深部の集積は少なく表示されてしまいます。しかしCTを撮影することによって、臓器の減弱補正を行い、本来の集積程度を再現して画像を作ることができます。特に心筋血流シンチでは体の深部にある心筋の下壁から中壁に対して効果があり、より正確で診断能の高い画像を提供することができます。
Symbia Intevo 6
心臓3DCTフュージョン画像
CT Computed Tomography
CT検査とはX線を用いて人体の内部構造を画像化する検査です。
CT検査は病気の早期発見、経過観察等に有用であり、救急などにも積極的に用いられています。得られた情報から、3次元(3D)画像や、任意の断層像を作成し、診断や治療に役立てます。また、自動露出機構(AEC)、逐次近似画像再構成法に加えて、最近ではAI技術(ディープラーニング技術)を利用した画像再構成技術により、画質向上と被ばくの低減の両立を実現しています。
2020年12月よりArea Detector CTを導入し、1回転の短時間にて16cmの広範囲のスキャンが可能となり、寝台を動かすことなく心臓や全脳の撮影ができるため、検査時間が短縮でき患者さんの負担軽減につながっています。Area Detector CT導入により、CT-Perfusion検査(CTP)が可能となり、血流評価を行うことで急性期脳血管障害の迅速な診療へ貢献しています。その他にも同部位を経時的に撮像する4DCT検査も可能となり、日々検査の幅を広げながら、検査の質の向上に努めています。
画像処理の分野においても、2021年よりネットワーク型の3D画像処理システムを本格導入し、手術や血管造影前等での術前支援画像の作成にも力を入れ、より安全で確実な治療に繋がるよう尽力しています。
CANON MEDICAL SYSTEMS Aquilion ONE PRISM
GE Healthcare Revolution CT
画像処理端末
AMIN ZIO station2
FUJIFILM SYNAPSE VINCENT
心臓CTの3次元画像
大動脈弁4D画像
CT-Perfusion解析画像
MRI Magnetic Resonance Imaging
MRI検査とは強い磁石のトンネルの中で、電磁波(ラジオ波)を使って体から出てくる信号を元に断層画像や血管等を描出する検査です。MRIは横断面だけでなく、任意の断面の画像を得ることができるという特徴があります。
MRI検査は放射線による被ばくのない検査です。軟部組織や神経の描出に優れており、脳梗塞や脊椎・脊髄疾患、肝胆膵領域、婦人科領域、泌尿器科領域等の診断にも有用です。
磁石の中に入って行う検査のため、検査室内に磁石に引っ付くような金属を持ち込むと大変危険です。ペースメーカーを始め、体内に金属がある方はもちろん、装飾品等にも注意が必要です。そのため、検査前には検査着に更衣をし、金属等のチェックシートを記載して頂くことで安全な検査が行えるよう努めています。また、検査時間が長く、体の動きに弱いという短所もあるため、患者さんのご協力が非常に大切です。音楽を流したり、補助具などを使用したりすることで、長時間の検査もより快適に受けていただけるよう配慮しています。
閉所恐怖症などで検査に不安のある方や身体内外に外せない金属等がある場合など、何かお聞きしたいことのある方は放射線技術部MRI室(内線:3655)にお知らせください。
MRI装置
Siemens MAGNETOM Avanto 1.5T
Siemens MAGNETOM Skyra 3T
頭部 [髄膜種]
頭部MRA
MR胆管膵管撮影(MRCP)
上部脊髄 [転移性脊髄圧迫(MSCC)]
血管造影 Angiography
血管造影検査とは血管内にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、カテーテルから造影剤を注入してその流れをX線で撮影することによって、目的部位の血管を描出する検査です。また、カテーテルを血管内に挿入する際には、皮膚への小さな切開ですむため、外科的手術よりも、身体への負担を少なく済ませることが出来ます。
IVR-CT装置とは血管造影とCT撮影が同一の寝台上で行える装置です。血管造影で得られる平面上の血管等の情報とCT撮影で得られる奥行きを持った体内の詳細な情報を組み合わせることが可能で高度な治療を実現しています。
当院の血管造影室では、それぞれの科の専門医師をはじめ、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師といった専属のスタッフが集まり質の高い技術を結集し、診断・治療に当っています。また、IVR被ばく低減認定施設として認められ、血管造影に関する専門技師スタッフも常時勤務しております。それぞれのスタッフが常に患者さんの立場にたって、低侵襲の検査を心がけています。さらに、平成27年5月より血管造影装置と併用可能なハイブリッド手術室が本格稼働となりました。本装置では、低被曝かつ高画質な画像の提供が可能となりより安全で安定した手術支援を行っています。
血管造影装置
Siemens Artis zee BA Twin
Philips Allura Xper FD20/20
Dose Tracking System
脳動脈瘤(治療前)
脳動脈瘤(治療後)
腹部大動脈ステントグラフト内挿術(治療前)
腹部大動脈ステントグラフト内挿術(治療後)
心臓カテーテル検査
医療画像情報管理
院内で発生する画像情報や他院から持ち込まれる画像情報は、放射線画像システム(PACS)によって適切に管理・運用されています。PACSは、電子カルテや放射線情報システム(RIS)等と連携しており画像診断やIVR(Interventional Radiology:画像下治療)等に活用されています。更に、CTやMRI等の画像診断装置から収集した2次元のデータを院内各所の端末で簡便に3次元化して活用できる環境(3D-PACS)を整備し、診断、治療の精度向上、患者様への分かり易いご説明に努める等、一歩進んだ安全・安心な環境づくりに取り組んでいます。
令和3年度には、透視録画システムを導入し、X線TVや血管造影検査の透視画像も管理しています。
PACSやRISでは、サーバー仮想化技術を取り入れて院内のシステムの統合を進めています。当院のPACSは複数の施設の画像を管理する事が可能で、広島市立リハビリデーション病院や舟入市民病院の画像情報も管理しています。さらには、地域連携システムとPACSが連携しており、広島市立病院機構4病院の画像が各病院から参照可能です。
病院間のネットワーク化も進めており、機構4病院の他、2つのPETセンターを含む広島市内5施設と画像ネットワークを構築しており、効率よく地域との医療連携を図っています。
医療画像情報は、専門の知識を有する医療情報技師の下で運用管理されています。医療情報技師は、コンピュータの基礎、ネットワークの基礎、デジタル画像、医療画像表示装置の精度管理・画像評価等の専門知識を有し、適切な画像の運用を行っています。
【導入システム】
○放射線画像システム(PACS) CentricityPACS4.0
○放射線情報システム(RIS) iRad-RS
○放射線治療情報システム RTiS
○透視録画システム SURGEONEv2
○3D-PACS アクエリアスインテュイションサーバー
○地域画像連携システム
○医用画像モニタ品質管理システム RadiNETPro
DICOM画像検像システム I-PACS QA
自動ディスク発行・取込システム MDS-5410N
DICOM画像修正端末 RA-600
3D-PACS アクエリアスインテュイションサーバー
放射線治療 Radiotherapy
放射線治療は癌の治療法として手術療法、化学療法と並び3本柱の一つとして広く用いられています。放射線治療は悪性腫瘍の根治のみならず、症状の改善や痛みの除去による「生活の質quality of life(QOL)」の改善・向上が期待でき、組織の機能や形体を温存した「切らずに治す治療法」としてがん治療の柱として大いに期待されています。放射線治療は大きく分けて3つに分類されます。1つ目が体の外から放射線を照射する外部照射、2つ目がイリジウム192やコバルト60などの密封放射性同位元素を体内に挿入する方法、または腫瘍に直接刺入して放射線を照射する密封小線源治療、3つ目が放射性医薬品を服用、静脈注射することによって病巣部に放射性同位元素を集積させ照射するRI内用療法です。
外部照射 External beam therapy
体の外から病変部に放射線を照射する治療です。外部照射装置であるリニアックは高エネルギーの放射線を出力することができます。当院のリニアックは、画像取得装置を搭載しており治療直前や治療中の照射部位の状況確認を行うことで高精度放射線治療を可能にしています。
密封小線源治療 Brachytherapy
直径0.5mm、長さ5mm程度の放射性物質を遠隔操作で体内に挿入し、放射性物質が放出する放射線を局所に照射する治療法です。限局性病変に対する治療に有効性が高いとされ、線源に近い部位に極めて高い放射線量を照射できます。
CTシミュレータ CT simulator
放射線治療の計画を立てるための専用のCT撮影装置です。実際の治療時と同じカーボン製の平坦な天板に治療体位で臥していただき、必要に応じて体を安定させるため固定具を作成します。その後、治療計画用CTの撮影を行います。この画像を治療計画装置に転送し、治療のシミュレーションを行います。
治療計画装置 Radiotherapy planning
治療計画用CT画像を用いて、病巣部に放射線を集中しつつ周囲の健常組織には障害を起こさないよう病変部に対し適正に照射するための計画を治療計画装置を用いて作成します。その時、「どの範囲に」「どのような形状で」「どのような角度から」「何方向で」「どれだけの放射線量を」「何回(日)で」ということを決定します。
品質保証・管理QA/QC Quality assurance/Quality control
目に見えない放射線を用いる放射線治療が正確で安全に行われているかを調べるために実施するとても重要な業務です。
外部照射装置において正確な放射線量が出力されているかどうか、また作成した治療計画通りに放射線治療が行われているかどうかなど、多岐にわたる項目を確認しています。
TrueBEAM (Varian Medical Systems社製)
TrueBEAM STx with Novalis (Varian Medical Systems社製)
体幹部定位放射線治療(肝臓)
体幹部定位放射線治療(肺)
定位放射線治療(脳)
密封小線源治療(子宮)
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